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2015.08
27
8/25(火)

前回ご紹介した「フリーズ・フレーム」に続き、この日の授業の後半は「ホット・シーティング」をしてみました。
簡単に説明すると、学習者が物語などの登場人物になりきり、他の学習者からの質問に応えるという活動です。
別の表現を使うなら、役を演じる学習者に合同記者会見をする、という感じでしょうか。
この活動でも引き続き、「桃太郎」を題材としました。

「フリーズ・フレーム」のときと同様、まず教師が例を見せ、やり方を示しました。
その後すぐに「記者会見」を始めてもよかったのですが、①演じさせる役だけを決め、②その役への質問を考えさせ、
③誰がどの役を演じるかを決め、④「記者会見」を始める、という手順を踏みました。
準備の時間がないと、「会見席」に座る学生が戸惑ってしまい、うまく答えられないのではないか、
また「記者」からも、いい質問が生まれないのではないか、と思ったからです。

深い理由はありませんが、質問を向ける対象として、①桃太郎、②おじいさん、③おばあさん、④猿、⑤鬼を選びました。

FotorCreated_20150827100255698.jpg

上記5役への質問を、「フリーズ・フレーム」の際に分けたグループで考えさせました。
ここで注意したのは、答えが「はい/いいえ」にならないような質問にすること。
そうなってしまうと、この活動の意味とおもしろさが半減してしまうからです。

およそ10分が経過したところで、準備終了。
最初は「おじいさん」役を演じる学生を決めます。
質問に答える学生の緊張を和らげるため、また活動に広がりを持たせるために、今回は1役を2人に演じさせました。
「おじいさん、やりたい人いる?」と聞いてもなかなか手が挙がらなかったので、こちらが選んだのがこの2人。
抜擢の理由は、おもしろいことを言いそうな雰囲気が感じられたからです。

IMG_7396.jpg

始める前に、「会見席」に座る学生は、「答えられない」「秘密です」などと答えてもいいことを、
また質問する側には、先ほど考えさせた質問以外をしてもいいことを伝えておきました。

さて、いよいよ「記者会見」開始。
以下、Qは質問、Aは写真左の学生の答え、Bは右の学生の答えです。
AとBは、活動の様子を撮影したビデオから起こしたものです。
そのため、文法上の誤りもありますが、そのまま記録しました。

 Q 何歳?
 A「65歳です」
 B「60歳です」

 Q いつ結婚した?
 A「40年前」
 B「32歳のとき」

 Q どうして子どもができなかった?
 A「昔のことだから、なんでできなかったのかわからない」
 B「秘密です」

 Q 国はどこ?
 A「日本」
 B「ベトナム」

 Q おばあさんと、いつ、どこで知り合った?
 A「村で子どものころから一緒に成長して、付き合った」
 B「日本へ来たとき、会いました」

 Q おばあさんが桃を持ってきたとき、どう思った?
 A「でっかい桃が来て、今日はたくさん食べられると思った」
 B「子どものときから今まで見れないので、喜びました」

 Q 旗はどうして作った?
 A「戦争に行くということは、自分のマークとかつけたほうがいいと思って」
 B「強く形になって、必ず負けないように」

 Q 旗にどうして「日本一」と書いた?
 A「その前は大きな戦争とかなかったので、これは日本の一番大切な戦争ですよということで」
 B「『日本一』と書いて、もっと強く、一番強くなる」

質問する側の、物語の隙間を付いたおもしろい問いに、2人がうまく答えられました。
1回目にしては、上々と言えるでしょう。

IMG_7399.jpg

次はこの2人がおばあさん役に挑みました。
1回目で様子がつかめたのか、今回は学生のほうから手が挙がりました。

 Q 桃の重さはどのぐらい?
 A「10キロ」
 B「50キロ。山から家まで川が流れているから、一緒に」

 Q 1週間に何回川へ洗濯に行く?
 A「毎日。でも雨の日は行かない。冬も行きます」
 B「Aのおばあさんと似てる(同じ)ですね」

 Q 今何歳?
 A「68」
 B「60」

 Q 桃太郎が生まれた後、残った桃はどうした?
 A「捨てた」
 B「食べちゃったです。めっちゃおいしかった」

 Q 桃を切ったとき、桃太郎まで切れなかったのはどうして?
 B「硬かったので、ちっちゃいずつ切りました」
 A「同じ」

 Q 桃太郎は一人っ子。もう一度川へ新しい子どもを探しに行った?
 A「毎日探したけど、(桃が)なかった」
 B「同じ」

 Q きびだんごの材料は何?
 A「実は、おじいさんが作った。私は渡しただけ」
 B「わからない。忘れちゃったんです」

 Q おじいさんの好きな所は?
 A「やさしい。あと料理上手」
 B「しっかりしている」

Bの男子学生が声色を変えて質問に応じるなどしたため、1回目よりも多くの笑い声が聞こえて来ました。
やりとりの中で生まれた質問もあり、質問する側もされる側も、この回で要領を得たのだと思います。

IMG_7400.jpg

3回目はこの2人が鬼を演じました。
Aの女子学生は、よっぽどこの役になりたかったのでしょう。
「鬼」と聞くやいなや今まで座っていた席を立ち上がり、記者会見席へ向っていきました。
その意気込み通り、鬼になりきって演じてくれました。

 Q 1日どのぐらいお酒を飲む?
 A「数えない。いっぱいです」
 B「酔っぱらうまで」

 Q 鬼が島の有名な食べ物は?
 A「食べ物はない。お酒だけ」
 B「ないですね」

 Q 仕事は?
 A「どろぼうです」
 B「やってない。遊ぶだけ」

 Q 負けた後で「今から悪いことをしない」って行ってたけど、どうやってこれから生活する?
 A「桃太郎の村ではしない。別の村に必ず行きます」
 B「別のところに行って、とるかもしれない」

 Q 鬼はいっぱいいたのに、何で桃太郎たちに負けた?
 A「実は動物がきらい。アレルギーがあるから、早く帰ってもらうために」
 B「わたしたちには刀がなかったから」

 Q 趣味は?
 A「釣り。でも食べるためではない。島に住んでいるから、周りは海ばっかり」
 B「踊ること」

 Q 鬼は結婚する?
 A「できない。男性ばかりです。さびしいからお酒を飲んでいます。毎日お酒を飲むと、全然さびしくない」
 B「私はしてない」

授業中に、こんなに学生たちが笑うことが今まであったかなと考えさせられるほど、楽しい時間になりました。
もちろんそれだけでなく、「ホット・シーティング」には以下のような効果があったのではないかと思います。

 ①学生たちが主体的に取り組める
 ②学生たちの発話量が、他の授業に比べて非常に多くなる
 ③学生たちの題材(今回は「桃太郎」)への理解が深く、広く、豊かになる
 ④自分以外の人物(キャラクター)を演じるからこそ、いろいろなことが話せる

しかし、残念ながら、桃太郎と猿への「記者会見」も、この後にさせるつもりだった別の活動も、時間が足りずに断念。
所要時間の想定の甘さが反省点として残りましたが、「フリーズ・フレーム」も「ホット・シーティング」も、
題材を変えたり、前後の組み合わせを工夫しながら、またやってみようと思える活動でした。


(セ)


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