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仙台国際日本語学校の公式ブログです。

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2016.04
06
3月29日から3月31日までの3日間、仙台市(近郊)在住の日本語支援を必要とする子どもたちを対象に、
「仙台国際日本語学校 小・中学生のための春休み日本語教室」を開き、学習支援活動を行いました。

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当校では日々、留学生をはじめとする非日本語母語話者の方への日本語教育を行っています。
国籍や性別を問わず、学生の大多数は20代から30代、つまり大人です。
中には10代後半の若い者もいますが、様々な面において、特に学習面では大人と括っていいでしょう。
では、なぜ今回当校が子どもを対象にした日本語教室を開くことにしたのか――

昨年の夏に、日本語を母語としない小中学生のための夏休み教室を見学したことがそのきっかけです。
子どもを対象としていることだけではなく、内容、教材、形態なども当校の日常的な授業とは全く違っていました。
そのような教室を見たのは初めてで、驚くと同時に素晴らしい取り組みだと感銘を受けました。
しかしそれ以上に、「私たちにも彼らのような子どもたちにできることがあるのではないか」と強く感じたのです。
「夏休み教室」を運営されている方々にお話を伺うと、そのような学びの場は仙台市ではまだ少ないとのこと。
一方で文部科学省の調査などにあたると、日本語指導が必要な子どもたちの数は年々増えていることがわかりました。
しかし同調査には、実際に日本語指導を受けている子どもの割合は減少していることも示されていました。
さらに色々調べてみると、かなり課題の多い、しかも緊急性の高い問題であることもわかってきました。
そこで当校の設備、教材、人員をフル活用して、子どもたちの新たな学びの場を作ろうと考えたのです。

通常の学校運営の傍ら様々な下準備をし、正式に実施が決まったのが今年の2月。
1カ月に満たない募集期間、さらに初めての開催でしたが4名から申込みがあり、無事開講の運びとなりました。

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申込書には年齢・性別・母語・来日時期などの簡単なアンケートを付け、事前に保護者の方と連絡をとりましたが、
実際に会ってみなければその子がどんな子なのか、また学校や家庭での学習状況などについて不明な点が多いため、
始めは下の5つの雛型プログラムに沿って準備を進め、それをその子どもに応じて組み合わせるという形をとりました。

 ①漢字(ひらがな・カタカナ)の読み書き指導
 ②ipad・パソコンを使った日本語学習
 ③日本語の本の多読、絵本などの読み聞かせ
 ④宿題・自学支援
 ⑤その他(ゲーム、ことば遊びなど)

他の同様の教室の活動を参考にしましたが、全てにおいて「日本語学校ならでは」という要素を盛り込んだつもりです。

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サポーターは当校の専任教員5人のほか非常勤講師の先生方にも各日お1人ずつ手伝ってもらいました。
初日は卒業生2人にもサポーター兼通訳として場に加わってもらいました。
また募集のチラシ(日・英・中)作成にあたっても卒業生・在校生に力を貸してもらいました。
このような面にも日本語学校が主催することの強みがあるように、今こうして振り返ってみて思います。

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期間中は毎日、終了後にサポーター全員で反省会を行い、その日担当した子の様子などについて情報を共有。
そして、そこで出た内容を踏まえて、翌日の4人の子どもたちそれぞれの時間割と担当者を決めました。
その甲斐あってか、日に日にサポーターとの会話も増え、笑顔も多く見られるようになりました。
初めは緊張していた子どもたちですが徐々に心を開いてくれるようになった証だと思います。
また教材についても、ipadのアプリを増やしたり、その子のレベルに応じたプリントを用意したりと毎日補給・補強をしました。

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最終日の最後の30分は書道を体験してもらいました。
小学校では3年生から習い始めるそうですが、今回の子どもたちのうち経験者は1人。
年齢から言えば3人が3年生以上なのですが、どうも来日時期などとの兼ね合いで機会がなかったようです。
すでにやったことがある子も今回が2回目とあって、みんな恐る恐る、でも嬉しそうに筆を運んでいました。

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上はそれぞれが書き上げた作品を手に、保護者の方も交えての一枚。
「好きな言葉を書いて」と指示をしたのですが、1人は「今の気持ち」として「楽しい」と書いてくれました。
目標として①しっかり勉強できる環境を作ること、②楽しんでもらうことの2つを掲げていたので非常に嬉しかったです。

保護者の方からは学習効果だけでなく、この3日間で毎朝早く起きるようになり(時間は毎日10:00~12:00)、
帰宅後もこちらが渡した宿題をするなど新学期前に生活にリズムが生まれたというお言葉をいただき、
こちらが事前に想定していなかった副次的な効果もあったことがわかりました。

私たちの感想としては、まず「やってよかった」と思いました。
始める前は不安もあったのですが、子どもたちの表情や姿勢を見て、そんな気持ちはすぐに消え去りました。
また、普段やっている大人への日本語教育のノウハウが子どもたちへの学習支援にも役立つことがわかり、
その逆に今回の活動で得たことが日々の授業にもかなりの部分で活かせるのではないかと感じました。
教育に携わる者として、一歩前に進めたような気がしています。

と、ここまで良い点ばかり挙げましたが、今回が初めての開催だったことから反省すべき点や課題もありました。
細々したことはたくさんあるのですが、まとめると下の4つになるかと思います。

 ①春休みは学校の宿題・課題が少なく、「宿題・自学支援」の必要性が低い
 ②初日の29日は市内の多くの小中学校で離任式があり、開始時間に間に合わない子がいた
 ③「動」と「静」、「一対一」と「一対多」など形の変化があまりなく、単調だった
 ④子ども向けの教材・教具がまだまだ足りない

当校としては、微力ながら今後もこのような子どもちへの学習支援活動を継続して行っていくつもりなので、
今回見つかった反省点・課題をできるだけ改善して次回の運営をよりよいものにしていきたいと考えています。

先にも少し触れましたが、日本語支援が必要な子どもたちを取り巻く環境はまだまだ整備されているとは言えません。
現状では①自治体・学校か②地域ボランティア、または③その両方が連携した形での支援がほとんどのようですが、
そこに日本語学校等の日本語教育機関がもっと関わっていくべきなのではと今回の活動を通して考えさせられました。

最後になりますが、公益財団法人仙台観光国際協会の方々、外国人の子ども・サポートの会の方々をはじめ、
当教室の開催及び運営にあたりご助言、お力添えをいただきました多くの皆様に感謝申し上げます。
ありがとうございました。

※写真はこちらから


(セ)


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